冷え性

冷え克服法

川嶋朗式
すぐ効く ずっと効く
冷え克服法
川嶋朗

冷えについて総括されている本を見つけたのでご紹介したいと思います。

目次
  • 人の一生は「冷えていく一生」
  • お湯を使ったからだを温める習慣
  • 今日からできる冷えを克服する習慣
  • それでも体温が上がらないというあなたへ
  • あなたの健康はあなたが守る

人の一生は「冷えていく一生」

そもそも人間の一生は、冷えていく一生です。

最後は冷たくなって死ぬのです。子供から大人になり、歳を重ねていけば、熱を生産する力も、代謝も、必ず落ちていくのです。しかし、その子供でさえ、最近では体温が低くなる傾向があるようです。

「冷えそのものは問題ではない」

冷えは日常生活を改善することで、十分に克服できます。

正確には低体温であることが問題です。低体温は「酵素」の働きを鈍らせ、「生命活動」そのものを鈍らせてしまうからです。

冷え対策は、「冷やさない」「温めましょう」それだけです。

お湯を使ったからだを温める習慣

すぐに効果のある冷え克服法は「お湯」の活用です。

具体的には「白湯を飲む」「湯たんぽ」「風呂」の3つです。

白湯を飲むのは、体の中から温めましょうということです。

これに対して体の外から温めましょうというのが湯たんぽの活用です。

風呂も直接的には外から温めるだけですが、単純に温めるだけでなく、体質的に冷えにくい体にすることもできます。

白湯は、朝起きたらまず一杯がお勧めです。起きたばかりで、まだ動きが鈍い胃や腸に、温かい白湯を通し、腸管の働きを活発にさせます。

代謝が上がり、熱が産生され、冷えにくい体調になります。お湯を沸かし、覚ましてから飲んでください。睡眠中に水分が失われているので吸収されやすい、つまり体が温まりやすい最高のタイミングです。もし可能なら、毎日、白湯を1〜1.5Lの範囲で飲むことをお勧めします。人の尿は1.5Lまでは水分と毒素を一緒に出してくれるからです。

緊張社会に生きる多くの現代人は、交感神経が優位になり、血管を収縮させ血流が悪くなり、体も冷えています。反対に緊張が緩むと、副交感神経が優位になり、血流もよくなるようにできています。

38〜40℃のぬるいお湯で副交感神経を優位な状態にする、というのが基本です。できれば体温+2℃の38℃が理想です。サウナのように高温サウナと水風呂で交感神経を刺激し、温めの風呂や低温サウナで副交感神経を刺激すると、自立神経の切り替えが活発になり、気が廻ります。

即効性を求めるなら湯たんぽがお勧めです。とにかく温めて気持ちの良いところを温めれば良いというのが原則です。効率よく温めるには「血流が多いところを温める」。血管がたくさん通っているところは筋肉、筋肉は下半身に70%が集中しているので、下半身の大きな筋肉、つまり太腿を温めるのが最適です。あるいは、副交感神経の中枢でもある、腰の仙骨あたりを温めます。

今日からできる冷えを克服する習慣

冷えの原因の一つに食習慣があります。

食材のルール

  • 色の濃いもの(黒、赤)
  • 寒い地域で採れるもの
  • 地下に伸びていく野菜

また、以下のことにも注意してみましょう。

  • よく噛んで食べる
  • 深呼吸
  • 体を締め付けず、下半身を厚着する
  • 温まるツボを刺激する
  • 指先をマッサージして血巡りをよくする
  • 快眠と朝一ウォーキング

それでも体温が上がらないというあなたへ

歳を重ねれば誰でも、熱を産生する力が落ち、代謝も落ちていくため仕方がないことですが、その主たる原因は「筋肉が落ちる」ことにあります。

つまり筋肉がしっかりと働いてくれさえすれば、かなりの熱産生が保てるということです。筋肉量が増えるまでには3ヶ月かかります。2日に一度、筋トレを3ヶ月続けてみましょう

冷え対策は「冷やさない」「温める」ですが、新たな冷え要因として「ストレス」があります。ストレスを少しでも解消するよう、自分なりにストレス解消法を見つけてみましょう。

可能なら、抜本的な解決方法、すなわち筋トレと、冷やさない習慣や即効性のある温める方法を今から同時並行して行っていただきたいのですが、それが無理ならできることから始めればいいのです。体が欲するものは何でもやってみてください。体の声を聞きながら何でも試してみてください。

あなたの健康はあなたが守る

冷えを自分自身で判定する方法は

  • 起床時に体に触れる
  • 温かいものに触れる

冷えによって原因は多少異なりますが、いずれも血巡りが悪いことに起因していることだけは確かです。冷えとは体温を調節する機能が失われかけている状態ともいえます。

統合医療で実践されている、冷えに対する6つのアプローチ

  • 漢方医学:漢方で体のバランスを整える。
  • 医工学的アプローチ:湯たんぽ、カイロ、風呂、服など雑貨や工具を使ったアプローチ。
  • アロマセラピー:副交感神経を優位にし、リラックスさせることで大きな効果を上げます。
  • ホメオパシー:自己治癒力を使った類似療法。扱いが大変難しいため注意が必要。
  • 養生:生活習慣を見直し、体が冷えない生活をしましょうということです。
  • サプリメント:ビタミン、ミネラルが不足しがち。カルシウム、鉄、亜鉛などの単体サプリメントのみの長期摂取は避ける。

医者に頼りすぎてはいけない

生活習慣を改めるのも、体重を落とすのも患者さん自身がやるかやらないかです。医者にそれはわかりません。その延長線上にある薬も同様なのです。本来、薬を飲むか飲まないかは患者さんが判断すべきものなのです。

あなたの健康は、あなた自身が守るしかないのです。依存心を捨て、自分で調べ、理解し、行動に移していください。これがどんな健康増進処方より、優れた健康法です。それさえできれば、冷えはもちろん、ほとんどの病気に対処することができます。