冷え性

栄養素をプラスして、もっと「温め体質」になる!

女性の不調は「冷え」が9割
子宮を温める食べ方があった!
新宿溝口クリニック 定 真理子
桑島内科医院    桑島靖子
青春出版社


をご紹介したいと思います。
この本は、冷え症について今までとは違った方向からのアプローチを教えてくれています。
冷え性を改善したいと思っている方はぜひ最後までご覧ください。

目次
  • 冷えとりをしても体が温かくならない理由
  • 「冷え」は栄養不足のサインです
  • 子宮を温める食べ方があった!
  • 栄養素をプラスして、もっと「温め体質」になる!

冷えとりをしても体が温かくならない理由

「冷えをとる」だけでは根本原因にならない

とこの本ではいわれています。「冷え」は栄養が足りていませんよという体からのサインだそうです。

「栄養セラピー」は正確には「分子整合栄養療法(オーソモレキュラー療法)」と呼ばれています。薬に頼らず、体に必要な栄養素をとり入れることで、様々な不調を改善していくもので、月経不順、妊娠、出産、更年期といった婦人科系から、ダイエット、美肌、アンチエイジングなどの美容、がんや糖尿病などの内科疾患、うつやパニック障害などの精神疾患まで、幅広い分野で治療効果を上げています。その根底には、病気や老化は栄養不足が原因であるという考え方があります。

栄養セラピーによる「冷え」の4タイプ

  • 血行不良タイプ
  • 栄養不足タイプ
  • 糖質過多タイプ
  • 代謝低下タイプ

「冷え」の原因がひとつではなく、いろいろなものが絡まっている場合もありますが、自分の「冷え」の傾向を知っておくことは、その後の対策のためにも重要です。

「血行不良タイプ」

  • 日常の中でストレスを感じることが多い
  • 1日の中で座っている時間が長い
  • 夕方になると脹脛がむくんでくる
  • 指先、足先など、末端が冷える
  • 毎日1時間以上歩くことがない

「栄養不足タイプ」

  • 肉や魚をあまり食べない
  • 野菜中心の食生活だ
  • ダイエットをしている
  • カロリーの低いものを選んで食べている
  • 痩せ型だ

「糖質過多タイプ」

  • ご飯やパン、麺類、甘いお菓子などをよくとる
  • インスタント、レトルトなどの加工食品をよくとる
  • 味噌や納豆などの発酵食品を取らない
  • 鎮痛剤をよくとる
  • 常に便秘または下痢症状がある

「代謝低下タイプ」

  • 40歳以上の女性である
  • 日常生活の中で運動や家事など体を動かす機会がほとんどない
  • 食生活は低コレステロールを心掛けている
  • 常にだるく、疲れやすい
  • 寒がりだ

■ストレス、運動不足などが原因の「血行不良タイプ」

体を温める栄養が足りない「栄養不足タイプ」

体を冷やす食べ方をしている「糖質過多タイプ」

筋肉量、ホルモン量が減っている「代謝低下タイプ」

自分の「冷え」タイプを知り、「自分で熱をつくれる体」になること。体がどう生まれ変わるかは材料にかかっています食べ物を変えると自分で熱を作れる体に変わっていきます

「冷え」は栄養不足のサインです

「子宮の冷え」が教えてくれること

子宮は女性にとって大切な内臓の一つです。私たちの体には無駄な臓器は一つとしてありません。

しかし、冷えが進み栄養が不足すると、まず蔑ろにされるのがこの子宮です。

なぜなら、生命を維持することが最優先される私たちの体にとって、子宮よりも優先されるべき臓器がたくさんあるからです。いうまでもなく、子宮まで十分な血流が行き渡らなければ子宮は冷えます。つまり子宮の冷えも栄養不足のサインです。

食べ物に溢れている今の時代に、栄養不足というのにはわけがあります。毎日好きなものばかり食べている人に栄養不足が起きやすいのです。つまりカロリーだけは十分にとっているけれど、必要な栄養が全く足りていない状態ということです。

栄養不足になると、体の末端まで栄養が行き渡りません。髪の毛がパサパサしたり抜け毛は増えたりします。逆に皮膚や髪の毛が艶々している人は、体の隅々まで十分に栄養が足りているといえます。

またストレスがかかると交感神経が緊張して、血流が悪くなるため冷えにつながっていきます。緊張していると、全身の筋肉は固くなり、末梢神経は収縮し、手足から冷たくなっていきます

「冷え」による不調は、その人のウィークポイントにあらわれます。婦人科系が弱い人は婦人科系に、皮膚が弱い人は皮膚にといったように。ただ、一般的に女性は婦人科系に症状が出やすい傾向があります。

ストレスによる冷え対策の第一弾としてまず大切なのは交感神経と副交感神経のオンオフのメリハリをつけることです。日中、活動する私たちは交感神経が優位に働いていますが、夜はしっかりとリラックスをして、意識的に副交感神経が優位に働くようにしなければなりません。すると子宮にも血流が行き渡るようになってきます。1日の終わりにアロマキャンドルを焚くと、リラックスして気持ちがリセットできます。

ストレスに対抗しようと分泌されるコルチゾール(別名ストレスホルモン)の材料となるのが、コレステロール、ビタミンC、タンパク質、パントテン酸(ビタミンB群の一種)です、ストレスがかかった時、これらの栄養素が大量に消費されてしまいます。ストレスがかかると栄養不足になるのはこのような理由もあるのです。

ストレス状態が長く続き、コルチゾールが過剰に分泌され続けると、やがて副腎は疲労してしまい、だんだんコルチゾールをはじめとした副腎ホルモンを分泌できなくなります。するとストレスがかかっても血糖が上がらず体も脳も動かない、血圧も体温も上がらないから活動量が減ってしまう「副腎疲労症候群」といわれるものです。副腎を元気にするためにも、食生活を改善して副腎ホルモンを補う材料=栄養を入れていきましょう。

また最近成人女性の10〜20人に一人はいるといわれている甲状腺機能低下も「冷え」に関わっています。甲状腺はホルモンを分泌するため、女性ホルモンと密接に関わっています。甲状腺ホルモンには卵巣で卵胞の成熟と成長を促す働きもあるため、分泌量が不足すれば月経不順やPMSの原因になります。甲状腺の機能が低下してしまう原因にも栄養不足があります。鉄と亜鉛です。

内分泌ホルモンにには優先順位があり、副腎ホルモン→甲状腺ホルモン→性ホルモンとなっています。またこれらのベースには腸があり、腸内環境が悪いとホルモン分泌にも影響を及ぼしてしまいます。

子宮を温める食べ方があった!

体の不調を整え、子宮から冷えを解消するスタートは「腸」です。

「腸」については以前のブログをご覧ください↓

<https://www.marno.blog/腸活(食生活について)/113/>

女性は女性ホルモンによって腸内環境が日々変化しています。

「生理前になると便秘になる(またはお腹が緩くなる)」

「生理中は快調になる」

女性なら実感する人も多いのではないでしょうか?これらも全て女性ホルモンの影響です。

腸内環境が悪く、免疫機能が低下してしまうと、ストレスホルモンであるコルチゾールが盛んに分泌されます。コルチゾールの分泌が優先されてしまうと、最終的に女性ホルモンの分泌は後回しにされ、女性ホルモンの分泌不足につながります。

腸内環境はとても変わりやすいもの。だからこそ、普段から腸内環境を整えるようにしたいものです。お勧めは以下の通りです。

  • 生甘酒
  • 味噌汁
  • 本物の調味料
  • 加工食品をやめる
  • 抗生物質をむやみに飲まない
  • 環境ホルモンを意識する
  • 糖質を制限する
  • 生理用ナプキンにも注意する
  • ウォーキングでふくらはぎを刺激する
  • ふくらはぎを温める
  • 肩や首を温める

栄養素をプラスして、もっと「温め体質」になる!

必要な栄養素は下記の通りです。たくさんあります。ここでは主なものを詳しくご紹介したいと思います。

  • タンパク質
  • ビタミン B群
  • コレステロール
  • ビタミンE
  • カルニチン
  • イソフラボン
  • ビタミンA
  • 亜鉛
  • カルシウム、マグネシウム、ビタミンD
  • DHA、EPA、γ–リノレン酸
  • ビタミンC
  • グルタミン
  • ラクトフェリン

<鉄>

温め体質になるには鉄が最も重要です。鉄の働きとしてよく知られているのは、赤血球を作り、体内に酸素を運ぶことです。また肝臓の解毒作用にも鉄が使われている他、甲状腺ホルモンの合成にも必要とされています。鉄には植物性の「非ヘム鉄」と動物性の「ヘム鉄」の2種類があります。非ヘム鉄は体への吸収率があまり良くありません。一方でヘム鉄は体への吸収率がとても良いのです。摂るならヘム鉄がおすすめです。レバーや赤身の肉、あさり、カツオなどの赤身の魚を積極的にとるようにしましょう。ポイントは鉄の吸収を助けてくれる栄養素と一緒にとること。果物や野菜に含まれるビタミンCや肉や魚などに含まれるタンパク質は鉄の吸収を促進してくれるのでおすすめです。

<タンパク質>

タンパク質はプロテインといい、語源はギリシャ語で「いちばん大切なもの」という意味です。タンパク質が不足すれば、肌の潤いがなくなる、骨や歯が弱くなる、内臓や血管が衰える、筋肉が衰える、貧血になる、細菌やウイルスに感染しやすくなるなどがあります。筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、熱量産生も増えます。また体だけでなく、神経伝達物質のおおもとの材料でもあるので、心のバランスややる気や判断力など精神の安定にも不可欠な栄養素です。肉や魚は体重1kgあたり約1〜1.5g。意識してタンパク質をとる必要があります。

<ビタミンB群>

タンパク質に限らずエネルギーとして取り入れた食べ物の栄養素は、胃腸で消化されて体内に吸収されますが、その代謝に欠かせないのがビタミンB群です。生理前や更年期などに起こりがちなイライラも、ビタミンB群不足が原因のこともあります。牛や豚のレバー、マグロやカツオ、サンマなどに多く含まれます。生甘酒もおすすめです。

簡単ではありますが、以上栄養テラピーの観点からみた「冷え」対策です。

まずは自分の冷えの原因を知り、血液検査をし、自分に足りない栄養素を補っていくことが大事だと感じました。一緒に温め体質に変わっていきましょう!